真の服好きによる、真の服好きのためのセレクトショップ「BRYCELAND'S(ブライスランズ)」。
「Bryceland's Co」は、Ethan Newton(イーサン・ニュートン)さんとKenji Cheung(張 振威)さんが共同で立ち上げたお店です。初めて行くには少々わかりにくい裏原宿界隈にあります。
”こんなにもワールドワイドに男の服の愛好家が集まるお店は日本には他に存在しない”と言い切ってもいいでしょう。セレクトショップというよりも、ここは真の服好きが集まりブラックコーヒーを片手に語り合うサロンのような隠れ家です。
店内には日本人テーラー 小野雄介さんの「Anglofilo(アングロフィロ)」のアトリエも併設されています。
「BRYCELAND'S」のオーナー Ethan Newtonさん
昨年2016年3月にオープンした「BRYCELAND'S」ですが、初めて訪れた時は実はまだオープン前。やっと床がきれいに整ったぐらいの状態だったので完成された店内を見て思わず歓声をあげてしまいました。
立派なお髭にやさしいスマイルのEthanは意外にも日本語がペラペラ。一見するとちょっとコワイのですが初めて会ったその日もEthan自身のキャリアや「BRYCELAND'S」立ち上げへの想いを熱くていねいに語ってくれました。
Ethanは、13歳の時にお兄さんと一緒にヴィンテージのミリタリーアイテムの買い付けをしていました。その数年後にはテーラリングの勉強を始め、20歳で代官山のジーンズショップで働くために来日します。30代に入り香港の気鋭のセレクトショップ「The Armoury(アーモリー)」の立ち上げに参画。その後、新しいビジネスパートナーのKenjiさんと共に「Bryceland's Co」を設立して今にいたります。
彼がなぜこの世界に入ったのか、詳しくはオフィシャルのWEBページで語られていますので読んでみてくださいね。
久しぶりに再訪したこの日はイタリア・ナポリのビスポークトラウザーズメーカー「Ambrosi Napoli(アンブロージナポリ)」の4代目当主 Salvatore Ambrosi(サルバトーレ・アンブロージ)さんがトランクショーのため来日中。
「Ambrosi」のトラウザーズを見せてもらいました。
「Ambrosi Napoli」4代目当主 Salvatore Ambrosiさん
「Ambrosi」のトラウザーズ(写真はレディメイド)はクラシカルなナポリスタイル。ベルトレスで持ち出しは長め、サイドアジャスターにダブルプリーツ。ラインはややテーパード。ストレートにストンと落ちるシルエットです。
裏地が付いていないことに気づきAmbrosiさんに理由を聞いてみると「僕は、裏地が嫌いなんだよ。」とのこと。
いつもビスポーク職人さんとお話した際には「レディースは扱っていますか?」と必ず確認するのですが、「Ambrosi」の場合はメンズのパターンはそのままでサイズを変更する形であればレディースもオーダー可能ということでした。Made to Measure(メイドトゥメジャー)ですね。
その他にも「BRYCELAND'S」ではナポリの名門サルト「Sartoria DalCuore(サルトリア・ダルクォーレ)」や「Orazio Luciano(オラツィオ・ルチアーノ)」とコラボしたBRYCELAND'S仕様のジャケットを扱っています。これらはEthan本人がパターンを監修したのだそうです。
さらに、「Ascot Chang(アスコット・チャン)」のシャツや「SEVEN FOLD(セブン・フォールド)」のタイ、「SAINT CRISPIN'S(サン・クリスピン)」や「SPIGOLA(スピーゴラ)」の靴など「BRYCELAND'S」では”好きじゃないと絶対知らない”ようなコアなアイテムを幅広く扱っています。
Ethanはもちろん、共同設立者のKenjiさんも大のヴィンテージ好き。奥から出してきたヴィンテージの眼鏡コレクションを見せながら、目を輝かせて素晴らしさを語ってくれるKenjiさん。
彼らと話しているとリアルな海外のビスポーク事情もよくわかります。英語でコミュニケーションが取れる方は楽しさ3割増しです。
ちなみにここ数週間で香港・韓国・台湾・シンガポールの各メンズファッション関係者の方々とお話する機会がありました。結論から申し上げますと、やはりいまアジアは熱い!
さてさて、何やらわたくしの周りもここ最近で急にワールドワイドになってまいりましたので、本腰を入れて英語を学びなおさないと・・・。気が焦りますね。