ふと足もとを見ると笑顔になっちゃう、そんな靴。「polpetta(ポルペッタ)」2018 S/S展示会

FASHION

 

「今日は何を着ていこう?」

毎日のコーディネートを考えるときにいちばん最初に決めるもの。皆さんきっとそれぞれ違いますよね。ある人はジャケットかもしれないし、ある人はパンツかもしれない。女性であればスカートかもしれません。

装いを考えるとき、まず立ち止まるのはズラリと並んだ靴の前。私のスタイルは"靴"が主役なので「靴を決めること」がコーディネートの始まりなのです。

「素敵な靴は、素敵なところに連れてってくれる」と信じて自分が「いいな、欲しいな」と心から感じる靴に出会ったときはそのご縁を大切にしてきました。買わずに諦めて後悔しつづけたある靴と2年越しの再会を果たしたときは、感動のあまり涙しそうになったことも……!

そんな私が、長いことずっと気になっていたシューズブランドがあります。

 

polpetta(ポルペッタ)」

 

男性の友人が「polpetta(ポルぺッタ)」のスリッポンを履いているのを見て、メンズブランドにはめずらしい鮮やかな色柄と”かわいらしさ”にヤラレてしまったのです。ひとことで言うと「オトナの遊びゴコロを感じる靴」ですね。

デザイナーの山崎 学人さんによると、レディースも扱っているとのことで今回はじめて「polpetta(ポルぺッタ)」の展示会(2018S/S)にお邪魔してきました。

 

 

 

 

実は昨年くらいから”グルカサンダル”がたまらなく欲しくて探していました。

グルカサンダルといえば、イタリアの「F.lli Giacometti(フラテッリ ジャコメッティ)」が有名どころ。レディースの扱いもあって素敵なのですが、①取り扱い店舗が少なすぎる(足入れできない) ②欲しい色がない(白のみ) ③サンダルの金額としてはちょっと高い(税込8万円超)ということもあり泣く泣く諦めていました。

その他にも女の子に大人気の「Church's(チャーチ)」やちょっとマニアックな「GENESIO COLLETTI & SONS(ジェネシオ・コレッティ・サンズ)」など色々と見てきましたが、どれも好みに合わず。さらにはブラウンが欲しいのになぜか白と黒ばかり・・・。このモードな白黒シューズを牽引しているのがプラダ傘下に入った英国「Church's(チャーチ)」です。インスタでは「#churchs」がタグ付けされたサンダルがあちらこちらにUPされているほど。「Church's」の影響おそるべしです。

「polpetta(ポルぺッタ)」では、メンズで展開しているものと同じデザインでレディースの木型がありました。

写真左はレディースのサンプル、右はメンズの黒スエード。今回は右のデザインでライトブラウンのカーフをオーダーしました。今夏中に間に合わせてくださるとのことなのでとても楽しみ!

 

 

「polpetta」といえば、スリッポン。「polpetta」はイタリア語で「肉だんご」という意味なのだそうです。カワイイですね。

プレタ(既成靴)もありますが、パターンオーダーをすればキャンバス地やベルベット地など様々な種類のアッパーを選ぶことができます。底付けはセメンテッド製法で、ワイズ(足幅)が細め。レディースをフィッティングしてみたのですが、残念ながらワイズ大きめ甲高めの私には小さすぎました。つま先の捨て寸があるので悔しいことにワイズに合わせると今度はノーズが長くなります。一般的な日本人女性の足にならすんなり入る木型だと思うのでオススメですよ。

 

 

 

ところが!グッドイヤーウェルト製法のメンズの木型にチャレンジしてみたら、なんとこれがピッタリ!下の写真では「38」のサイズ表記になっていますが、実際にはレディースの「37」ぐらい。次回はこれでタッセルローファー(写真はメンズ)とスリッポンをオーダーしてみようと思います。

 

 

オーダーの楽しみは、出来上がりを想像(妄想)しながら形やデザイン・色柄・素材を選べること。そして、「どんな服に合わせようかな」「それを履いてどこに行こうかな」とワクワクしながら完成を待つことです。

時間をかけて考えてカスタムした自分だけの服や靴。それだけで愛着が湧きませんか?長く愛して大切にしようと想える人やモノを増やすこと。その積み重ねが、日常に豊かさを与えてくれるのではないかと思うのです。

「ちょっとこうしたらカワイイよね、おもしろいよね」という遊びゴコロがある「polpetta」のような靴は、心のゆとりを持てる人にしか作れないのではないかと思います。マーケティングベースでものづくりをする今の日本のアパレル産業には、こういうオモシロさはほとんどありません。皆同じような服・似通った靴。不良在庫を抱えるのを恐れて、クリエイティブで新しいプロダクトを生み出すことに挑戦しない。真似事ばかりです。

 

 

もう、余裕がないのですね。それではクリエイティビティが生まれないのは当たり前です。イタリア人が貧しくても心豊かでいるように、日本はもっと心の豊かさが生み出すものを大切にした方がいいんじゃないか。「polpetta」の靴を見て、ふとそのように感じました。

「polpetta」は、オシャレでクオリティも高いにもかかわらず、価格がお手頃なのがイイところ。ムリをしなくていい。気取らなくていい。だけど、日々のコーディネートに彩りを添えてくれる。足もとを見て、笑顔になるような心の豊かさを感じさせてくれる。だから、たくさん履きたくなるんです。

そんな愛するにふさわしいシューズブランド「polpetta(ポルペッタ)」

皆さんも、ココロ踊る一足に出会えますように。