Sarut Hiro 廣川 輝雄[後半]/ アルチザンの軌跡
(前半を読みたい場合はコチラから) 奉公先での修行も数年が経ち、ジャケットまでは一人前に縫えるようになった。しかし、ただ縫えるだけでジャケットはおろか比較的シンプルなパンツですら型紙が起こせな…
(前半を読みたい場合はコチラから) 奉公先での修行も数年が経ち、ジャケットまでは一人前に縫えるようになった。しかし、ただ縫えるだけでジャケットはおろか比較的シンプルなパンツですら型紙が起こせな…
1944年、世は太平洋戦争の真っ只中。廣川輝雄は長崎・佐世保に生まれた。まだかろうじて日本本土への空襲がなかった頃である。しかし、1945年の春。ついに佐世保の実家に焼夷弾が落とされた。幸いにも不発に終わり火災にはな…
自分の持てるすべての技術を惜しみなく教え継ぐ、ある一人の熟練テーラーがいる。 廣川輝雄(ひろかわ てるお)、72歳。東京・蒲田にアトリエを構える廣川は、ここで仕立ての注文を受けながら若手を育てることに全力を…