教養としての紳士服・紳士靴のおすすめ本

FASHION

 

これまでに専門書・学術論文・エッセイ・小説・写真集・海外本まで、メンズウェアに関するあらゆる本を読んできましたが、そのなかでも読んでほしい紳士服・紳士靴のおすすめ本をご紹介します。

今回は先にnoteで執筆してTwitterでシェアしてみたところ、こんなにマニアックな内容にも関わらず予想以上に反響がありました。

 

ぜひ教養として楽しんでいただきたいので、何をどう着るかの(誰が言うかが重視されたスタイル提案の)着こなし術系の本はほとんど載せません。また、日本のヴィジュアルブックも除いていますが、海外のもののみ解説もしっかりした名著はご紹介します。

個人的な感想をベースに今でも読み返す本をおすすめしているので、物足りない方もいるかと思いますがご参考までに。

※歴史的な記述のある本は出典が明記されていない場合は特に、教科書的に鵜呑みにしないことをおすすめします

 

紳士服についてのおすすめ書籍

▼クラフツマンシップ
ナポリ仕立て 奇跡のスーツ
著者:片瀬平太・池田哲也
マニアック度 ★★★★★
→徹底した取材をもとにナポリの老舗サルトが紹介された一冊。世界的に人気なナポリスーツの歴史が学べます。

夢を叶えるパリのタイユール 鈴木健次郎
著者:長谷川喜美
マニアック度 ★★★☆☆
→NHK「プロフェッショナルの流儀」にも出演さしたフランス・パリのタイユール 鈴木健次郎さんが厳しい修業時代を乗り越えて独立するまでの物語。日本人テーラーとして海外で修業し成功している数少ない1人です。

 

▼HowTo スーツの選び方
大人の男の服装術
著者:滝沢滋
マニアック度 ★★★☆☆
→「Takazawa Shigeru」のマスターカッター 滝沢滋さんの著書。紳士服の歴史をもとにフォーマルウェアのドレスコードや正しい着方がわかりやすく解説されています。イラストのみ。

紳士服を嗜む
著者:飯野高広
マニアック度 ★★★★☆
→服飾研究家 飯野高広さんの嗜むシリーズ。紳士服のつくりをを体型やパターンから解説した一冊です。教科書的で非常にマニアックなのにイラストだけなので初心者の方にはややイメージしづらいかもしれむせん。着こなし方などはあまり参考にしないほうがいいかも…

 

▼素材知識
メンズウェア素材の基礎知識 毛織物編
著者:大西基之
マニアック度 ★★★★★
→メンズウェア素材の専門書。原毛から繊維・糸・織物になるまでの過程や素材の種類が解説されています。もはや業界人のテキスト的存在。ちなみに毛織物編とありますが、後にも先にも毛織物編しかありません。

 

▼教養・歴史
スーツの百科事典
著者:出石尚三
マニアック度 ★★★★★
→前半はスーツの起源に遡りフロックコートやテイルコートからスモーキングジャケット、ラウンジスーツ、現代スーツに変遷するまでの歴史がメインで、後半はスーツの仕立てに関する日欧の専門用語が網羅されています。個人的には夏目漱石のサヴィル・ロウでのお話が好きです。ただ前半の歴史部分については仔細ですが出典明記がないので史実としてはいささかの疑問も。

舶来屋
著者:幸田真音
マニアック度 ★★★★☆
銀座「サンマモトヤマ」の創業者・茂登山長市郎さんの激動の人生を描いた物語です。戦時中に天津でヨーロッパの一流品に触れ、戦後には闇市でメリヤス商売を始め、後にエルメス、グッチ、セリーヌなど数々のブランドを日本に紹介した茂登山さん。残念ながら昨年亡くなられてしまいましたが、物語は生き続けています。

スーツの文化史
著者:中野香織
マニアック度 ★★★★☆
服飾史家の中野香織さんが著書『スーツの神話』をベースに新たにKindleで出版した本。アカデミックかつ女性目線の切り口にはファンが多いです。”文化史”ともあるとおり、読み物ですが歴史的かつ教科書的な内容になっています。イラストがないので文章だけだとやや飽きてきてしまうかもしれませんが、知識としてはとても面白いです。

 

▼海外書籍
Dressing The Man
著者:Alan Flusser
マニアック度 ★★★★★
アメリカのファッションデザイナー Alan Flusserによる服装術本。アメリカントラッドをベースに正統的ウェルドレッサーのための着こなしが解説されています。正統的な内容ですが今の時代に彼の着こなしをそのまま取り入れると野暮ったくなってしまうので、まずは知識として読み進めるのがいいかと思います。ちなみにこちらの本はよくインテリアとしてメンズセレクトショップに飾ってあります。

 

紳士靴についてのおすすめ書籍

▼クラフツマンシップ
紳士靴を仕立てる (Professional Series)
マニアック度 ★★★★★
→「MISAWA &WORKSHOP」の靴職人 三澤則行さんによるビスポーク靴のレシピ本。2,200点の写真でハンドソーン・ウェルテッド製法が徹底解説されています。日本とウィーンで靴づくりを学んだ三澤さんの靴は英国やイタリアとは違った雰囲気があります。もはや靴職人を目指す人向けの教科書レベルです。

製靴書
著者:山口千尋
マニアック度 ★★★★★
→こちらは「Guild of Crafts(ギルドオブクラフツ」の靴職人 山口千尋さんによる靴製作の工程解説書。英国の名門靴学校コードウェイナーズで靴づくりを学び「マスター・オブ・クラフツ」の称号をもつ山口さんの靴はもちろん英国風。こちらもマニアック過ぎる1冊です。

 

▼HowTo 靴選び・靴磨き
一流の人はなぜそこまで、靴にこだわるのか?
著者:渡辺鮮彦
マニアック度 ★★★☆☆
→グレンロイヤルやラベンハム、Drake’s、Cheaneyなど英国ブランドを扱う渡辺産業の渡辺鮮彦社長の著書。渡辺社長は元IBM出身。IBMから家業の渡辺産業を継いだ渡辺社長だからこそビジネスにおいて靴がどれほど大切なのかについて説得力があります。堅実的かつ現実味のある内容です。イラストのみの解説ですが初級~中級者が押さえておくべき知識が詰まっています。

紳士靴を嗜む
著者:飯野高広
マニアック度 ★★★★☆
→前出の飯野高広さんの嗜むシリーズ。紳士靴版もイラストのみ。足の骨格や靴の構造などマニアックかつ丁寧に解説されていますが、初心者にはちょっと難しいかも。

靴磨きの本
著者:長谷川裕也
マニアック度 ★★☆☆☆
→靴磨き世界チャンピオンの長谷川裕也さんの著書。写真をメインに素材別の靴磨きがとてもわかりやすく解説されています。これまで雑誌Men’sExなどのケア系ムック本はあったものの初級者向けの書籍としてちゃんと基本が網羅された靴磨き本はありませんでした。初級~中級者向け。

 

▼歴史・教養
至高の靴職人
著者:竹川圭
マニアック度 ★★★★☆
→伝説の靴職人 関 信義さんの人生を綴った物語。戦後の厳しい時代に靴職人の道を選び、最高峰の技術を身につけ「枯れる」境地へと辿りつく。もう引退されていますが、昔ながらの「丁稚奉公」を経験した最後の世代です。読みやすいので、歴史好きの人も楽しめると思います。

 

▼海外書籍
Handmade Shoes for Men
マニアック度 ★★★★★
→前出の靴職人の解説本のように日本で本格的に靴づくりの製作工程を公開した本が出てくるまではこちらくらいしかビスポーク靴の製作工程を覗くことはできなかったと思います。英語とドイツ語が読めなくても写真が豊富なので楽しめます。

※2018年に邦訳版『紳士靴のすべて』が発売されたようですので念のためご案内しておきます

 

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